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店舗BGMをYouTubeで無料配信する方法 - カフェ・バー・サロン向け

2026年4月5日

カフェやバー、美容サロンを経営していて、BGMにUSENを使っている。月5,000〜10,000円の固定費がかかっている。あるいは、こっそりSpotifyを流している(これは利用規約違反です)。

実は、自分でYouTubeの24時間BGM配信チャンネルを作れば、店舗BGMのコストをほぼゼロにできます。しかも、同じチャンネルをネット上に公開することで、店舗以外の視聴者が集まって広告収益が入る可能性もあります。つまり「BGMの費用を払う側」から「BGMで稼ぐ側」に回れる。この記事では、その具体的な方法とコスト計算をまとめます。

まず知っておくべき:Spotifyの店舗利用は規約違反

飲食店やサロンでSpotify(個人プラン)を流しているケースは非常に多いですが、Spotifyの利用規約には「個人的かつ非商業的な使用のみ」と明記されています。Spotify for Business(旧Soundtrack Your Brand)という商用向けサービスは月額約3,000〜5,000円かかります。

Apple Musicも同様で、個人プランでの店舗利用は規約違反。罰則が適用されたケースは日本では少ないですが、今後規制が強化される可能性はあります。特にチェーン展開している店舗はリスクが高いです。

JASRAC管理楽曲を店舗で流す場合は、JASRAC(日本音楽著作権協会)への演奏権の支払いも必要です。店舗の面積に応じて年額6,000〜50,000円程度。USENは月額にJASRAC料金が含まれていますが、Spotifyにはその仕組みがありません。

店舗BGMの選択肢を正直に比較する

選択肢初期費用月額費用年間コストJASRAC対応
USEN MUSIC機器代 0円(レンタル)5,478円(税込)65,736円含む
USEN 550ch機器代 0円(レンタル)8,580円(税込)102,960円含む
monstar.ch0円1,880円22,560円含む
Spotify for Business0円約3,000〜5,000円36,000〜60,000円含まない(別途支払い)
Artlist(年額)0円約1,500円(年18,000円相当)18,000円不要(著作権フリー)
自作YouTube配信0円1,500円(配信ツール代)18,000円不要(著作権フリー音源使用時)

USENの年間コストは6〜10万円。5年続ければ30〜50万円です。これに対して、自作YouTubeチャンネルなら年間18,000円。差額は年間約50,000〜80,000円。小さな店舗にとっては決して小さくない金額です。

なぜ「自作YouTubeチャンネル」がいいのか

単にコストが安いだけではありません。自作のBGMチャンネルには、USENにはないメリットがいくつかあります。

選曲の自由度。USENは数百チャンネルの中からジャンルを選びますが、個々の楽曲を選ぶことはできません。自分でチャンネルを作れば、1曲1曲自分で選んだBGMを流せます。店のコンセプトに完璧にマッチする選曲ができるのは大きなメリットです。朝はBossa Nova、ランチタイムはLoFi、ディナータイムはJazz、バータイムはSoulというように、時間帯ごとにプレイリストを分けることもできます。

広告収益が入る可能性。YouTubeで公開する以上、店舗以外の人も視聴できます。「Cafe Jazz BGM」「バー ジャズ BGM 作業用」のような検索需要は常にあるので、いい選曲ができれば自然と視聴者が集まります。チャンネル登録者1,000人・再生時間4,000時間を超えれば収益化でき、広告収益が入り始めます。同時視聴者が10人つけば月8,000〜17,000円程度。配信ツール代の月1,500円を差し引いても月6,500〜15,500円のプラスです。BGMにお金を払うどころか、BGMが稼いでくれる状態になります。

店舗のブランディング。チャンネル名を店名にして、映像素材に店内の写真を使えば、YouTubeチャンネルそのものが店の宣伝になります。概要欄に店舗のWebサイト、Googleマップのリンク、予約ページのURLを入れておけば、BGMを聴いている人がお客さんになるかもしれません。

JASRACの支払いが不要。著作権フリー(CC0、ロイヤリティフリー)の音源だけを使えば、JASRACへの演奏権料は発生しません。これはUSENとの大きな違いです。ただし「著作権フリー」と謳っている音源でも、実際にはJASRACに登録されている楽曲が混ざっていることがあります。Free Music ArchiveのCC0音源やYouTube Audio Libraryの音源を使うのが確実です。

著作権フリー音源の具体的な集め方

店舗BGMに使える著作権フリー音源をどこで見つけるか、ジャンル別に説明します。

Jazz / Bossa Nova(カフェ向け)

Free Music Archiveで「jazz」「bossa nova」で検索して、ライセンスを「CC0」または「CC-BY」でフィルタリングします。1曲ずつ試聴して、店の雰囲気に合うものを選んでいきます。CC-BYの場合は、YouTube動画の概要欄にアーティスト名と曲名のクレジットを入れてください。30〜50曲集めるのに2〜3時間かかりますが、一度集めれば何年でも使い回せます。

もう少し楽に集めたいなら、Epidemic Sound(月額約2,000円)のサブスクがおすすめです。「Cafe Jazz」「Bossa Nova」でプレイリスト検索すると、すぐに50曲以上見つかります。クオリティもFMAより安定して高いです。YouTubeとの連携機能があるので、Content IDクレームの心配もありません。

Ambient / Healing(サロン・クリニック向け)

YouTube Audio Libraryの「ジャンル」フィルターで「Ambient」を選ぶと、100曲以上の無料音源が出てきます。ヒーリング系、ピアノ系、自然音ミックスなど種類も豊富。全てYouTubeでの使用が公式に許可されているので、最も安全な選択肢です。

AI生成という選択肢

Suno(月$10の有料プランで商用利用可)やUdioを使えば、「cafe jazz, smooth, relaxing, piano and bass」のようなプロンプトで1〜2分の楽曲を生成できます。30曲生成しても1〜2時間で完了。ただし、AI生成の楽曲は質にばらつきがあるので、全曲試聴して良いものだけ選んでください。10曲生成して3〜5曲使える、くらいの感覚です。

配信チャンネルの作り方(具体的な手順)

1. YouTubeチャンネルを作成する

Googleアカウントでログインして、YouTubeの「設定」→「チャンネルを作成」。チャンネル名は店名でもいいし、「Cafe Jazz Radio」のようなジャンル名でもいいです。店名にする場合は、そのまま店の宣伝にもなります。ジャンル名にする場合は、検索で見つけてもらいやすくなります。

2. 音源と映像を1本の動画にまとめる

集めた音源(30〜50曲)を、時間帯別に3〜5パターンの動画にまとめます。例えばカフェなら「Morning(Bossa Nova中心、30分)」「Afternoon(LoFi + Jazz、45分)」「Evening(Smooth Jazz、45分)」の3パターン。

映像は、店内のおしゃれな写真を使ったスライドショーや、Canvaで作ったシンプルなアニメーションで十分です。凝った映像は不要。BGMチャンネルの視聴者は映像を見ていません。

DaVinci Resolve(無料)で映像と音源を合成して、MP4で書き出します。解像度は1280x720(720p)、映像ビットレート2,500kbps、音声ビットレート128kbpsで書き出してください。

3. 24時間配信を開始する

作成した動画ファイルを配信自動化ツールにアップロードします。ストリームキーを入力して、プレイリストの再生順(順番再生 or シャッフル)を設定して、配信開始。あとは放置です。

4. 店舗で自分のチャンネルを流す

店舗のタブレットやスマートTV、PCでYouTubeを開いて、自分のチャンネルのライブ配信を再生するだけ。Wi-Fi経由でBluetoothスピーカーやオーディオシステムに音を出力します。YouTube Premiumに加入していれば広告なしで再生できます(月1,280円)。加入していなくても、自分のチャンネルの広告は自分の収益になるので、実質的にはコストゼロです。

コスト回収のシミュレーション

具体的に、USENから自作YouTubeチャンネルに切り替えた場合のコストを計算します。

現状(USEN MUSIC利用):月額5,478円 x 12ヶ月 = 年間65,736円。

切り替え後:配信ツール月額1,500円 x 12ヶ月 = 年間18,000円。音源サブスク(Epidemic Soundの場合)月額2,000円 x 12ヶ月 = 年間24,000円。合計:年間42,000円。ただしFMAやYouTube Audio Libraryの無料音源だけで済ませれば、年間18,000円。

差額:年間23,736〜47,736円の節約。5年間で118,680〜238,680円。

さらに、チャンネルが育って同時視聴者10人がつけば、月8,000〜17,000円の広告収益。年間96,000〜204,000円。配信ツール代を差し引いても、年間78,000〜186,000円のプラスです。

もちろん、チャンネルが育つまでには時間がかかります。最初の3〜6ヶ月は広告収益ゼロの状態が続きます。それでも、USENの月額を払い続けることを考えれば、切り替え初月からコストは下がります。

注意点とデメリット

いいことばかり書いてきましたが、デメリットもあります。

最初の手間がかかる。音源を集めて、映像を作って、動画を書き出して、チャンネルを設定して、配信を開始する。最初のセットアップに半日〜1日はかかります。USENは機器を設置してもらえばすぐ使える。この手間を惜しまないかどうかは人によります。

音源の質と量。USENは数十万曲のライブラリからプロがキュレーションしたプレイリストを提供しています。自作チャンネルで同じ量と質を実現するのは現実的ではありません。ただし、30〜50曲の厳選されたプレイリストがあれば店舗BGMとしては十分です。お客さんは個々の楽曲を意識して聴いているわけではありません。

インターネット回線が必要。YouTube配信を店舗で流すには、安定したインターネット回線が必要です。回線が不安定だとBGMが途切れます。USENは専用回線なので、店舗のインターネット回線とは独立して動きます。

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