YouTube 24時間配信はいくら稼げる?収益の仕組みとリアルな数字
24時間ライブ配信を始める人の多くが気になるのが「結局いくら稼げるの?」という話。ネット上では「月10万円稼げた」という声もあれば「全然稼げない」という声もあって、よくわかりません。
この記事では、YouTubeの広告単価の仕組みから具体的な計算式まで、ごまかしなく書きます。夢を見せるつもりはないので、現実的な数字で読んでください。
YouTubeライブ配信の収益源は3つ
まず基本的な仕組みから。YouTubeライブ配信で入ってくるお金は、主に以下の3種類です。
広告収益(メイン)。視聴者がライブ配信を開いたときに流れるプレロール広告と、配信中に定期的に挟まれるミッドロール広告の収益です。24時間配信ではこれが収益の大部分を占めます。ミッドロール広告は配信設定で自動挿入をオンにすると、約5分間隔で視聴者に広告が表示されます(全員に同時に表示されるわけではなく、各視聴者のタイミングで表示されます)。
Super Chat / Super Stickers。いわゆる投げ銭です。ただし、BGMチャンネルではほとんど発生しません。配信者のトークやリアクションがないと、視聴者がSuper Chatを送る動機がないからです。BGMチャンネルの場合、Super Chatの収益は月に数百円〜数千円程度がリアルなラインです。期待しない方がいいでしょう。
チャンネルメンバーシップ。月額490円〜で視聴者が加入する機能です。加入者限定のバッジや絵文字を提供できます。登録者が数千人を超えてくると少しずつ入ってきますが、BGMチャンネルでは通常動画チャンネルほど伸びません。ファンとの「つながり」が薄いジャンルだからです。
広告収益の計算式を理解する
YouTubeの広告収益を計算するときの基本指標がCPM(Cost Per Mille)です。これは「広告が1,000回表示されたときに広告主が払う金額」のこと。ただし、配信者に入ってくるのはここからYouTubeの取り分(45%)を引いたRPM(Revenue Per Mille)です。
ライブ配信のBGM系チャンネルの場合、RPMの相場はこんな感じです。
視聴者の大半が日本人の場合:RPM 100〜400円(1,000再生あたり)。視聴者が英語圏(アメリカ、イギリス等)中心の場合:RPM 200〜800円。東南アジアやインドが中心の場合:RPM 30〜100円。
BGM系は他のジャンル(金融、ビジネス、ガジェットレビュー等)に比べて単価が低めです。理由は単純で、BGMを聴いている人は「何かを買おう」というモードではないため、広告主にとっての価値が低いからです。ただし、24時間配信は再生時間が膨大に積み上がるので、低い単価を量でカバーできます。
同時視聴者数ごとの収益シミュレーション
ここからが本題です。同時視聴者数ごとに、月間の広告収益を計算してみます。前提条件として、RPMは200円(日本人視聴者中心の保守的な値)、ミッドロール広告の表示率は50%(全ての視聴者に広告が表示されるわけではない)で計算します。
| 同時視聴者数 | 月間総再生時間 | 月間インプレッション(概算) | 広告収益(月額) |
|---|---|---|---|
| 3人 | 2,160時間 | 約26,000回 | 2,000〜5,000円 |
| 10人 | 7,200時間 | 約86,000回 | 8,000〜17,000円 |
| 20人 | 14,400時間 | 約173,000回 | 15,000〜35,000円 |
| 50人 | 36,000時間 | 約432,000回 | 40,000〜90,000円 |
| 100人 | 72,000時間 | 約864,000回 | 80,000〜170,000円 |
| 500人 | 360,000時間 | 約4,320,000回 | 400,000〜860,000円 |
計算の内訳を説明します。同時視聴20人の場合:20人 x 24時間 x 30日 = 14,400時間。1時間あたりの広告表示回数は、5分間隔で12回。表示率50%で6回。20人 x 6回 x 24時間 x 30日 = 約86,400回のインプレッション。RPM 200円なら86.4 x 200 = 17,280円。RPM 400円なら34,560円。
ここで書いたのはあくまで目安です。実際の収益はジャンル、視聴者の国、時期(年末年始は広告単価が上がる、1月は下がる)、広告ブロッカーの使用率などで大きく変動します。上の表の下限値くらいで想定しておくのが安全です。
収益化までの2つのハードル
YouTubeで広告収益を得るには、YouTubeパートナープログラム(YPP)に加入する必要があります。条件は2つ。
ハードル1:直近12ヶ月の総再生時間4,000時間。24時間配信ならこれは楽勝です。同時視聴者が1人でもいれば、月に24 x 30 = 720時間。6ヶ月で4,320時間になり、条件をクリアします。同時視聴3人なら2ヶ月弱で達成。再生時間に関しては、24時間配信は圧倒的に有利です。
ハードル2:チャンネル登録者1,000人。こっちが本当の壁です。BGMライブ配信を視聴する人は「ながら聴き」が目的なので、わざわざチャンネル登録する動機が弱い。登録者1,000人に到達するまで6ヶ月〜1年以上かかるのが一般的です。
登録者1,000人を達成するための具体的な戦略
24時間配信だけで登録者を伸ばすのは正直厳しいです。並行して通常動画(VOD)をアップロードするのが最も効果的です。
1時間〜3時間の作業用BGMをアップする。「作業用BGM ジャズ 1時間」「勉強用BGM LoFi 2時間」のようなタイトルで、YouTube検索やおすすめに表示されやすい動画を作ります。24時間配信の音源をそのまま使い回せるので、追加の制作コストはほぼゼロ。検索からの流入で視聴者を集めて、動画の説明欄や終了画面で「24/7ライブ配信もやってます」と誘導します。
ショート動画を週2〜3本投稿する。60秒以内のショート動画は、チャンネルの露出を増やすのに効果的です。BGMの一部を切り出して、おしゃれなビジュアルを付けるだけ。ショート動画から24時間配信への導線を作ります。
Redditの関連コミュニティに投稿する。r/LofiHipHop、r/chillmusic、r/studymusic あたりのサブレディットは、BGMチャンネルの宣伝に寛容です。ただし露骨な宣伝ではなく「こんなBGM作りました」という形で投稿すること。スパム扱いされると逆効果です。
X(Twitter)やInstagramで映像のクリップを共有する。LoFiの世界観に合ったアニメーションや風景映像のクリップは、SNSで反応が取りやすいコンテンツです。BGMと一緒に15〜30秒のクリップを投稿して、プロフィールにYouTubeのリンクを貼っておきます。
投資回収のリアルな計算
24時間配信にかかるコストと、いつ回収できるかを具体的に計算します。
初期投資。音源制作(自作なら0円、Artlistのようなサブスクなら年間約18,000円)。映像素材(Canvaで自作なら0円、有料素材なら1,000〜5,000円程度)。YouTube用のチャンネルアートやサムネイル制作(自作なら0円)。最小構成なら初期投資0円で始められます。
月間のランニングコスト。配信ツール代として月1,500円程度。音源サブスクを使う場合は月1,500円程度。合計で月1,500〜3,000円。
回収のタイムライン。収益化条件を満たすまでは収益ゼロです。仮に8ヶ月で登録者1,000人に到達した場合、それまでの投資額は1,500円 x 8 = 12,000円(最小構成の場合)。収益化後、同時視聴者10人なら月8,000〜17,000円の広告収益。つまり収益化の翌月か翌々月には投資を回収できます。同時視聴者20人まで伸ばせれば、月15,000〜35,000円。年間18万〜42万円の広告収益になります。
ただし、ここで書いた「同時視聴者20人」は簡単に達成できる数字ではありません。コンテンツの質、SEO、SNS運用、そして時間が必要です。1〜2ヶ月で結果が出るものではないので、最低6ヶ月は続ける覚悟で始めてください。
収益以外のメリットも考える
広告収益だけを目的にすると、登録者1,000人に到達するまでの期間がつらくなります。24時間配信チャンネルには、広告以外にもいくつかのメリットがあります。
自分の音楽を聴いてもらえる場ができる。アーティストやビートメーカーにとって、常時リスナーがいるチャンネルは実績になります。概要欄にSpotifyやBandcampのリンクを貼っておけば、ストリーミング収益にもつながります。
店舗BGMとして自分で使える。カフェやバーを経営している人なら、自分のBGMチャンネルを店で流すことでUSENなどの月額コスト(5,000〜10,000円)を削減できます。
概要欄のアフィリエイトリンク。「おすすめヘッドホン」「作業用デスク」などのAmazonアフィリエイトリンクを概要欄に入れておくと、広告収益とは別にアフィリエイト収益が入ります。1チャンネルで月数百円〜数千円程度ですが、放置で入り続けます。